071022 ジゴロー再び

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…………………………なんだっこのおっさんわっ!

「NEW GAME」(笑)
ま、タイトルが「ジゴロー再び」なので、ジゴローです。えーと、ジゴローというのは中の人が初モンハンの際にファーストキャラにつけた名前でして、見てくれもこのまんまですな。名前の綴りがちょっと違いますが…違いますが?えぇ、違いますとも。
「NEW GAME」ですがそれが何か?
まっはっはっはっは!ビッケがじりじりと村クエに戻ったと思ったら、ついに突き抜けてMHP1stに戻っちゃいましたよ(笑)。いえいえ、ビッケはビッケでMHP2ndでの活躍が続きます。いえね、村ビッケが調子良いので、ここらでココット編(ミナガルデ編)とポッケ編(ドンドルマ編)の比較とかもしとこうかしら、ってなわけなのですよ。
ココットよ!私は帰ってきた!
全編全武器で比較するのもあんまりなので、村ビッケのボーンシューター編がちょうど良いのですな。そんなこんなでジゴロー師匠の出番なわけでした。そう、師匠。ジゴローはビッケのお母さんの狩りの師匠なのです。ですんで時はビッケから遡ること20と数年。ジゴローは弟子のカエちん(ビッケのお母さん)がギルドのエースとして巣立った後、ココット村から程よく離れた山中に庵を結び(ゲーム内では村在住ですが)、さらなる狩りの深底を見極めるべく0からのスタートを切ったわけです。
「初心者」を選ぶと聞ける

さて、そんな裸一貫再出発のジゴローは、村長さんにご挨拶をするのでした。いや、もう旧知の間柄のはずですが、この一幕は記録しておいて良いでしょう。

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ふむ。おぬし、どうやらハンターを志す者のようじゃな。

ハンターとは何か?

孤高の戦士として名を残す者。
収集家を目指すもの。
多くの仲間と共に勝利を記憶に刻むもの。

皆それぞれではあるが、それらすべてがハンターであるといえよう。

おぬしが、一流のハンターを目指すと言うのであらば、かつて《ココットの英雄》と呼ばれた、このワシの全てを伝えよう。
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ハンターナイフ!
マカライト出た!
こうしてハンターは狩りをスタートさせるのでした。P1でもいろいろ武器がもらえますが、ハンターナイフ以外は全売り。村ビッケに合わせるべくアルバレスト改の作製を目指します。
ところでハンターナイフ。ボーンククリに比べるとスゲー強そうに見えます。スペックはさほど違いませんが、なんかもうディアとかの前にも立てそうな風格。名剣オデッセイのコピーであるというのは伊達じゃないですな。それにやっぱり名前が名前ですし。「ハンターナイフ」スタートはもう永久欠番でMONSTER HUNTER 10とかでもこのまま、というのが良いのじゃないかと思います。

さて、アルバ改ですが、これを作製するにあたっては、村の☆1(生肉納品〜タマゴ運びまで)をきちんとやりつつ、必要素材を集めるのがよいかと。マカライトが運任せですが、各クエカンカンちゃんと掘れば、☆1を一通りやった段階で大体素材は集まります(ピッケルは買う必要がありますが)。

じゃーん!
で、緊急ドスランまでには完成。防具はハンターシリーズで(これが揃うくらいの素材は集まる)。もっともP2に比べると各ポイントの素材の出方が非常にしょっぱいので、はじめのうちは遠い目になるかもですが。
あ、アルバ改=ボーンシューターか?という点ですが、実際にはアルバ改のが上ですな。ボーンシューターはアルバレストとアルバレスト改の中間と言って良いでしょう。ただ、諸条件がP2の方がゆるくなってるので、大体アルバ改相当と見ても間違いじゃない、というくらいかと。必殺の拡散L2の有る無しはそれでもデカイですが。
これこれ
これでもって、いよいよのクック戦です。
なんだかひどく懐かしい登場ムービーですな。

しかし…生き物ですな、クック。
キョロキョロしつつ、尻尾がピコピコ動いてまして…これ見られる人は、ちょっと見て下さいよ(P1かMHGか?)。なんかすごいぞ、これ。

クックが見えない
ところで戦闘が開始されてビックリしたのが密林の樹木密度。
クックが見えねー。こんなだったか。
旧マップの密林の「濃さ」に驚きます反面、現マップの密林がなんだか密林ぽく思えなくなってきましたよ?思えば現マップで木が茂ってるのって湖岸の1エリアだけじゃん。
耳が壊れないっ(笑)
しかし所々木々の絶える場所もありまして、そこへ誘導すると一気に戦いやすくなると。むぅ、よく考えられている。
まあ、立ち回りはここ100年くらい変わってない(笑)頭撃ちなので、狩りそのものはあっさりと進みます(5分経っても耳が壊れないで焦ったのは内緒だ)。5分ちょっとにお隣エリアに移動してクック乙。
5分乙
ふむ。P2の村クエは異常にモンスターの体力が低いと言われてましたが、そうでもないんじゃん。P1密林クック(アルバ改)とP2密林クック(ボーンシューター)ともに通常L1オンリーで、ともに5分ちょっと。P2クックの方が序盤補足までやや間がある分やっぱちょっと弱いか。でもまあ、そのくらい。

さて、そんなこんなで幕を開けましたP1ジゴロー編。P2との比較やらなにやらが目的ですが、いきなりマップ構成の「濃さ」が目につくP1でしたな(2エリアだけで)。
で、このジゴロー編ですが、序盤にこんな感じの経過報告を載せ、後半ちょっと新機軸を。

小説版…とかではないですが(笑)、ちょっと対話形式を入れてみようかなぁ、なんちゃって。

ココット村の一人の少年がジゴローの住む庵に向かうところから始まります。御用とお急ぎでない方は、しばらくの間、この二人の織りなす会話に耳を傾けてみてください。

 

ココット村から「森丘」へのびる道は二つある。
片方は荷車やアプトノスが通れるように整備され、高低差を迂回するように敷かれた道。もう片方は人が歩ければ良い、という程度のもので、村から小高い山をひとつ越すようにして森丘へと続いている道。こちらは山を突っ切る分正規のルートより手短に行き来することができ、村の者が森丘へ採取に出かける際に良く使用されていた。

しばらく前にこの山道の途中に新しく古めかしい庵が建てられた。「新しく古めかしい」というのもおかしな話だが、もともと村にあった家を解体し、山中に運んで組み直したのであるらしい。
ココット村から森丘への山を抜ける道には、人の住む家はこれしかない。ここより山奥には時折炭焼きに使われる小屋がいくつかあるだけだ。

そんな山道をココット村からその庵へと向かう一人の少年がいた。白樫を削って作られた、ハンターナイフを模した木剣がその手に握られている。年の頃は十に満たないように見える(というかまだ「かぞえ」で六つだ)。村のものは皆健脚で、このくらいの山道はものともしないが、少年はまだ小さいながら、その村人達と比べても随分と達者な山行きをしていた。ほとんど平地を駆けているのと変わらない。

ふと、その少年が足を止め、放心した様な目を頭上を覆う木々に向けた。季節は春から夏へ向かっている。落葉樹の多いこの道すがらの木々は、今を盛りとばかりに濃い緑を生い茂らせている。緩やかな風がその木々の息吹を伝え、少年は深い深いその緑の匂いに浸っているような風情であった。

しばらくそうしていた少年は、ふと顔を前に向け、再び歩き出した。木々の根が階段状に連なる少し急な坂道を越えると、やや大袈裟な石垣が前方に見える。その上に少年の目指す庵は建っていた。ジゴローというハンターがしばらく前に構えた庵である。

「ラオシャンロンに踏んづけられて上のボロ屋がぺしゃんこになったって、この石垣は崩れねぇ」と大真面目な顔で自慢していたのは、この石垣組みを指揮した武器工房の親方だった(村の大工を兼ねている)。少年はこの石垣を見ると、いつもその時の親方の顔を思い出し、少し笑うのだった。そして、少し息を整えて、その石垣の側面にしつらえられた階段をかけ登る。庵の窓は開け放たれている。どうやら庵の主は在宅の様だ。

 

「ジゴ爺!」
少年は大きな声で呼びかけ、遠慮もなく庵に入ってゆく。明度差があって、部屋の中は随分暗く見えたが、目が慣れるにつれて少年の目が輝きを増してゆく。大きなテーブルの上にはところ狭しと何かの木の実やら牙やらが散らばっており、その向こうで白髪を後ろに束ねた庵の主がそれらと格闘していた。

「おお、リオか。まぁ、ここに来る物好きはお前さんくらいのもんだがな」
ジゴローは手を休め、リオ少年に優しい隻眼を向けた。
「入って座っておれ。リオは茶なぞは好かんのだったな。ケルビのミルクがあったな、あれを暖めてきてやろう」
「ハチミツいれてっ!それよりもこれはなに?」
「注文を付けて、それよりもときたか。おぬしもだんだん遠慮がなくなるの」
そうは言いつつもなんだか嬉しそうなジゴローは、リオに戻るまでそのあたりのものにさわらないように、とクギを刺し、水場の方へ入っていった。

開け放たれた窓からは、森を抜けてきた風が流れ込み、先ほどの山道でリオを包んでいた深い緑の匂いをこの部屋まで運んできている。軽い羽音がし、一羽の小鳥が窓にとまった。せわしなく尾を上下させ、小首をかしげながらテーブルの上の木の実に注目している。

「だめだよ」
リオはそう言いながら手にした木剣を軽く差し出した。不満そうに一声鳴きながら飛び去る小鳥を見送り、テーブルの上に目を戻す。
(弾…かな?)
と思う。実のところリオはボウガンのことを良くしらない。村にいた頃のジゴローは双剣をふるっていたし、その弟子だったカエ姉もあまりボウガンは使っていなかった。昨年の夏くらいからリオは直接ジゴローに狩りの手解きを受ける許しを得たものの、実際習っているのはまだ片手剣の素振りだけだった。
(すごい牙だ…)
ひときわ目を引くモンスターの牙。その鋭さにリオは目を奪われた。ランポスの牙なのだが、リオはまだ生きたランポスを見たことがない。
部屋の隅には、いつも通りハンターシリーズの防具が几帳面に揃えられており、その脇には1丁のボウガンが立てかけられている。村にいた頃のジゴローの部屋にはもっとたくさんの武器や防具が置かれていた。遊びに行った時、それらを見、そのひとつひとつにまつわる狩りのお話を聞くのが楽しみのひとつだったリオは、その頃を思い出して少し残念な気がした。

「なんぞ面白いものがあるかの」
ふと目を上げるとジゴローがカップを二つ持って戻ってきていた。
「うん。これは…弾?」
ハニーケルミルクの入ったリオにはいささか大きなカップを両手で受け取りながらリオはたずねた。
「ほほ、良く分かったの。そうじゃ、まさにボウガンの弾をこさえているところよ」
これがハリの実、あっちがはじけくるみ、その隣がランポスの牙…と、ジゴローが説明する。
「ふーん。でもなんで弾なんか作ってるの?お店で買えるって父ちゃん言ってたよ。ジゴ爺…お金ないの?」

一瞬ジゴローは虚をつかれた顔になり…そして大笑いした。

「いやいや、わしは確かに金持ちではないが…弾が買えんほど困ってもおらん。そうじゃの、なんと言ったら良いか…ふむ、リオはその剣、その木の剣じゃ、それを親方にこさえてもらった時に、最後のヤスリがけを手伝ったじゃろ」
「うん、手伝った」
「どうじゃ、自分でヤスリをかけたあと、なんぞ違う気がしなかったかの…何と言うか、持った感じというのかの…」
「した!すごく剣が強くなった気がした!」
「ほう、そうか。うむ、まさにそういうことじゃな」
「?」
「弾も同じということよ。自分でこさえた弾だとな、何と言うか、少し強くなった気がするんじゃな」
「うそだー。本当?」
「いや、本当はそんなことはない。むしろ素人のわしのこさえた弾の方が危なっかしいの。この間も、ほれ、そこの牙になっとるランポス、そのランポスを狩る際に弾が不発での。肝が冷えたわい」
村のものには内緒じゃぞ…と、いたずらっ子の様な目になってジゴローは言った。英雄とか言われとるわしがランポスに肝を冷やしたなぞという話が広まると、いささか気まずいのでの…と続ける。
「しかしな、そうであっても自分でこさえた、という点が大事だと思うのよ。強くはならなんでも、己が身の延長である、と思うことはできる」
と続け、ジゴローは少し真面目な顔になった。
「良いかの、リオ。ランポスであれ、巨大な飛竜、リオレウスであれ、奴らがハンターに挑む際に用いるのは己が身ひとつじゃ。反対に、わしら人間が体ひとつで飛竜を前にしたらひとたまりもありゃせん。だからこうして道具を工夫し、知恵を使う。じゃがな、それであるにしてもなるべく人間も己の手でつくり出したもので奴らに対するのが、命を狩るものの礼儀ではないかと、最近になってわしは思うのよ」
「ふーん?」
「ほほ、リオにはちと難しいかの」
と、言いながらジゴローは立ち上がり、部屋の隅に立てかけてあったヘビィボウガンを手にした。
「村におった頃は伝説の封龍剣までも手にしていたわしじゃが…今手もとにある武器はこれだけよ。でもな、このヘビィボウガンもな、わしが作ったのじゃぞ」
「これ、ジゴ爺が?」
「うむ。親方のところに泊まり込んでの。骨の削り出しから銃身をこさえる技術、弓の調律から最後の皮貼りまで、一から教わりながら作ったのよ。これとて形はアルバレスト改と言われるボウガンじゃが…本職がこさえたものよりはいささかぶかっこうではあるな」
不格好と言いながらも、ジゴローは愛おしそうにそのボウガンを眺め、再び部屋の隅へ立てかけた。
「もっとも頑丈ではあるぞ。親方にも百年使えると太鼓判を押してもろうたしの。わしは百年も生きられんから…よいよいになったらリオ、お前さんにくれてやるかの…」
そう言うと、ふと何かを思い出した様な顔になり、続いてジゴローは笑い出した。
「ほうじゃ、ほうじゃ。わしがここに居を移して、一からハンターをやり直す、と村長に挨拶をしたときじゃが、あのジジイ、わしに向かって『おぬし、どうやらハンターを志す者のようじゃな。』と抜かしおったわ」
龍人族も冗談を言うのじゃな、とジゴローは笑い、一転、厳しい眼差しとなる。
「しかし、その後に続けて『ハンターとは何か?』と言ったな。その目は笑っておらなんだ。してみれば、あれは冗談ではなかったか。ふむ、あのジジイ、まだわしを試すつもりかの…」
「試す?」
「…うむ。ん?おお、すまんな。これはわしの独り言じゃ」
少し心配そうな顔のリオの頭をジゴローはその節くれ立った大きな手で少し乱暴になでると、もとの柔和な顔に戻り、自分の茶をすすった。リオもつられてハニーケルミルクを口にする。猫舌のリオにも程よい温度に冷めていたそれはたっぷりハチミツが入っており、たいそううまかった。
「うまそうじゃの。よし、それを飲んだら片手剣の稽古を付けてやろう」
「うん!もう100回ふれるようになった!」
「頑張っとるな。受け身はやっておるかの。片手剣は身の軽さが身上じゃからの…」

二人の影が出て行ったあと、部屋には時折入り込む緩やかな風が立てるかすかな音だけが残った。
窓からは柔かな日の光が差し込んでいる。
その光はテーブルの上に残された雑多な木の実やランポスの牙などを、そして二つの空になったカップを優しく照らし出していた。

(つづく)